ふぁぼって紅

偏見によるバストークと軽い読み物

今だけは前を向いて。

今だけは前を向いて。(序)

――暗闇に浮かび上がる校舎の灯りを、僕はぼんやりと眺めていた。冬の訪れを予感させる冷たい風が頬をくすぐり、静かに吹き抜けていく。季節柄、陽が落ちるのが早いとはいえ完全に暗くなるまで学校に居残っていることは、委員会やら部活動やら、なにかそうい…